初心者でもわかるIPA(インディア・ペールエール)の魅力とお勧め銘柄

2019年4月15日

 

ここ数年、IPA(インディア・ペールエール)が密かなブームとなっております。

恥ずかしながら私、このIPAなるビールを知ったのはわずか数ヶ月前。以降、週1回の晩酌はIPAでないと満足しない体になってしまいました。

IPAはビール通にはもうおなじみのエール(ビールの一種)ですが、まだまだ日本国内では浸透していないようです。

そこで、IPAとは何なのか?特徴や飲み方、そして人気のIPAをご紹介したいと思います。

photo credit: Christopher Lotito Beer Flight via photopin (license)

 

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IPA インディア・ペールエールとは?

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インディア・ペールエールはビールの一種。IPAと略されて呼ばれるのが一般的です。

ホップの苦味と深いコク、味わい深い究極のビールとしてビール通にはすでにおなじみなのですが、街中の酒屋や一般的なスーパーマーケットなどではあまり販売されておらず、知る人ぞ知るビールというのが現状のようです。

まずはインディア・ペールエールという何やらよく分からない名称を分解して理解していきましょう。

エールとラガー

エールとは上面発酵(エール酵母)で醸造されるビールの種類。大麦麦芽を使用し、酵母を常温で短期間で発酵させ、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を生み出したビールのスタイルです。

対してあなたもご存じのラガーという種類があります。下面発酵酵母(ラガー酵母)で醸造されるビールで口あたりがよく、スッキリと飲みやすい感覚が受けています。日本で流通しているビールのほとんどがこのラガービールでピルスナータイプとも呼ばれています。

photo credit: Kompania Piwowarska Lech Browary Wielkopolski in Poznań via photopin (license)

ペールエール

ペール【pale】とは「淡い」という意味の色彩を表す語に付いて言葉として知られています。ペールオレンジ【pale orange】、ペールトーン【pale tone】などといった感じで日常的にも使用されていますので一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

18世紀にイギリスで生まれたペールエールは他のビールに比べて色が薄かったため、このように呼ばれています。

つまりペールエールとは、淡い(ペール)上面発酵(エール)のビールということです。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、日本国内の地ビールメーカーではこのペールエールタイプを販売しているケースが多く、有名度どころでは軽井沢で生産される よなよなエール 、岩手の 銀河高原ビール ペールエール などがあげられます。

photo credit: The Facey Family Honey I’m Late APA from @unionbrewingco via photopin (license)

インディアとは

前途でご説明したペールエールに(インディア)がつくと内容は大きく異なります。

インディアとはインドのこと。
その昔、イギリスがインドを支配していたとき、現地に大量のビール(ペールエール)を海路で送っていました。しかしながら6ヶ月以上を要する航海と、赤道を通過する過酷な気候条件では冷蔵・保存技術が確立されていない当時、バクテリア繁殖の影響で到着したときにはビール本来の味わいを維持できず、とても飲めたものではなかったようです。

そこでイギリスの醸造所がこの問題を解決すべく考え出したのが、従来のペールエールにバクテリア繁殖を抑えるべく大量のポップを使用したビールを開発・生産。インド向けに作ったポップたっぷりのビールがIPAの始まりです。

photo credit: Erminig Gwenn Belem – La barre du Belem – N&B via photopin (license)

つまり、、、

まとめてみると上面発酵のペールエールタイプでありながら、アルコールとポップの味わいを更に増した味わい深いビールスタイルと言えるでしょう。

もともとはポップを大量に使い、防腐効果を高めるために作られたペールビールでしたが現代では強烈なポップの風味を楽しむ味わい深い大人のビールとして認知されています。

IPAはどんな味?

一般的にビールとはどんな飲料でしょうか?

多くの方は「のど越し」や「キレ」を重視するアルコールの入った清涼飲料水的ニュアンスで表現されると思います。仕事終わりにキンキンに冷えたビールを一気に飲み干すのはビール党にたまらない至福のひと時です。

日本で最も人気のあるブランドとしてはアサヒのスーパードライ、サッポロの黒ラベル、キリンの一番搾りなどが挙げられます。これら銘柄はすべてラガータイプ。個々に若干の好みは分かれるものの、ビール好きにはおおむね好評の名品といってよいでしょう。

しかしながらIPAタイプはテイストや飲み方に大きな違いがあります。

味わいを楽しむのがIPAスタイル

のど越しを楽しむのがラガータイプですが、対してエールタイプ(IPA)の場合、味わいを楽しむのが一般的です。

通常のビールに比べてホップを大量に使用し苦みが大きいこと、ほのかに香るフルーティーなテイスト、そしてアルコール度数が高いことなどがIPAの大きな特徴といえます。

清涼飲料水的な楽しみ方をするラガータイプとは違い、ブランデーや吟醸酒を飲むように味わいを楽しみながらちびちびと口にする大人のビールといってよいでしょう。

IPAの飲み方

ポップの香りや苦み、そしてフルーティなテイストをじっくりと味わうIPAは飲み方を一工夫するとさらにおいしく頂けます。

まずは冷却温度について。

IPAはあまり冷やさずに飲むことをビール通の方々は推奨しています。10度から13度ぐらいが適温と言われていますがその理由は前途で申し上げましたIPAの風味を引き出すにはこの温度が最適とされているからです。

ぬるいビールなんて飲みたくない!・・・そんな声が聞こえてきますが、まずはこの温度で試してみてください。もっと冷たいほうが、・・・と感じましたらご自身の適温を探っていくのも良いでしょう。

もう一つ重要なのが・・・

グラスに注いで飲むこと!

photo credit: Obtuse Photo St Elmo Slater via photopin (license)

IPAの最大の魅力である強いホップのコクと苦み、ほのかに香る柑橘系のさわやかなテイストを堪能するには缶でそのまま、ビンでそのまま飲むと100パーセントの味わいを引き出すことができません。

飲む際に口を添えると、鼻まですっぽりと入るビアグラスであれば溢れる香りも堪能できるためです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、騙されたと思ってビアグラスに注いでお試しください。

また、グラス越しに見る透き通った美しい飴色のシルエットは美味しさを一層引き立たせ、至福の時を堪能できます。

お酒を飲むのは雰囲気から・・・そのような素敵な感性をお持ちの方には特にお勧めです。

最後に・・・・

ちびちびとワインや高級吟醸酒を飲むように味わって口に含んでください。

ビールは喉越しを楽しむ飲料というイメージがありますが、「これは別物」だと実感いただけるかと思います。

アメリカンスタイルとイングリッシュスタイル

IPAはイギリス発祥のビールですが、日本で流通している海外物のほとんどが、アメリカ物のようです。

アメリカンスタイルのIPAはイングリッシュタイプに比べてパンチの効いたホップの香りと心地よい苦み、そして柑橘系のさわやかなフレーバーが特徴。まさにこれぞIPAという製品が多く、そのテイストは日本人が求めているそのものなのかもれません。

両者ともにテイストの違いは大きいわけではありませんが、2つのスタイルがあるということだけでも覚えておいてください。

IPAは入手困難!?

日本国内でIPAはまだまだ認知されていないためか、一般の酒屋さんやスーパーマーケットなどではほとんど見かけません。

日本の地ビールメーカーが手掛ける銘柄はちらほらと見かけますが実店舗ではほんの数種類。最近では日本の大手ビールメーカーも少しづつ出しているようですがまだまだ陳列棚の片隅にあるほどで、ほんと、そんなもんなんです。

狙い目は輸入食品を扱う小中規模のスーパー。イギリスやアメリカから輸入した見たこともないIPA銘柄を発見することができます。

一番お勧めなのがネットで購入すること!楽天やヤフーショッピングなどでIPAと検索をかけますと複数出てきます。

でも・・・何をチョイスしたらよいのか、分かりませんよね・・・そこで!↓↓

これを飲んでおけば間違いなし!お勧めIPA銘柄2選

私のIPAデビューは知人の勧めから。

IPAとは何なのか?との説明と同時に、とあるビールを1本いただきました。そのときに貰った銘柄の芳醇な味わい、そして深いコク。瞬く間に魅惑の世界にハマってしまいました。

初めて飲むIPAがいきなりマズかったらもう飲まないですよね。実際に美味くないIPA銘柄はゴマンとあります。

そこでIPA初心者に方に向けて、絶対ウマいIPA厳選2銘柄をご紹介いたします。

あなたはもうIPAのとりこです。

インドの青鬼

⇒ ヤッホーブルーイング インドの青鬼 350ml×24本

インドの青鬼は日本産銘柄。長野にあるヤッホーブルーイングという地ビールメーカーが出しています。

IPAの本場といえばイギリスやアメリカ。日本産なんてウマくないに決まっている、なんて先入観を持って口にするととんでもないことになります。

美味いっ、うますぎる!!

世界中に数あるIPA銘柄の中でもトップクラスのクオリティだと個人的には感じているのですが、言い過ぎかな!?。ほめ殺しチックですが、製造元のヤッホーさんと私は何の関係もありません。

実は、私が初めて口にしたIPAがこのインドの青鬼だったのです。

ホップの香りと強烈な苦み、そしてほのかに香る上品なフルーティな香り。IPAとしてはほぼパーフェクトといってもよいでしょう。

製法のこだわり

インドの青鬼の特徴である、ホップの強烈な苦みを出すために、一般的なビールの4倍の量のホップを使用。その強い苦味とのバランスを取るために、モルトは、一般的なビールの2倍の量を使用。

http://yonasato.com/ec/product/indono_aooni/

ヤッホーブルーイングさんのサイトにはそのうように書かれています。

 

これから複数飲み始めたIPAの基準はこのインドの青鬼となってしまったため、他銘柄のIPAがそれほどうまいとは思わなくなってしまったほどです。

インドの青鬼をお勧めする理由は大きく2つあります。

ヤッホーブルーイング インドの青鬼 350ml×24本

IPAとしての完成度

ウマいです!とにかく飲んでみてください。

大量のホップを使った苦みと奥行きのあるコク、そしてアルコール度数の高さ(7パーセント)などとにかくIPAとしてのスペックだけでなく、完成度の高い逸品といってもよいでしょう。

これはもうビールではありません。

ちびちびとブランデーを飲むように口にしてください。

「インドの青鬼」が口に合わないようでしたらあなたはIPA向きではありません。

気軽に買えること

IPAはまだまだ流通量が少ないせいか、一般のビールに比べてお値段はお高めです。

本場アメリカやイギリスのブランドだとだいたい400円~700円ぐらい。ビールとしてはかなり高いですよね。でも、それがIPAという認識です。

しかしながらここでご紹介している「インドの青鬼」はなんと税込みで300円を割るロープライス!

一般的な日本のビールよりもちょっとだけ高いだけなのでそれほど躊躇せずに気軽に飲むことができます。

この味わいにしてこの価格。IPAとしてはめちゃくちゃコストパフォーマンスが高いですよ。

ここで買えます・・・

IPAは販売店も少なく、入手困難だと前途でご説明いたしました。特殊な店舗かネットでしか購入できないため、そのような意味でも気軽に飲むことができないのが現状のIPAです。

しかしながら、「インドの青鬼」はあなたの近所でもすぐに買うことができます。

私が確認した限りでは、ローソン、イトーヨーカドー、ヨークマートには売っていました。300円弱だったと思います。ちなみにヨーカドー系のセブンイレブンでは見たことがありません。

さぁ、あなたも今晩、インドの青鬼を堪能してください。IPAの世界へようこそ!

エールスミス

⇒ ▽エールスミス IPA 缶 355ml クール便

「インドの青鬼」を飲んでから、すっかりIPAの虜となってしまった藤野ですが、もっとウマいIPAを探すべく複数の食品輸入商店を回りました。

見たことのないパッケージのビールを探すのはとても楽しく、目新しい品物を発見するととにかく買い漁ります。IPAは基本的に国内の地ビールメーカーが作っているものと輸入品がほとんどです。

日本モノは3~400円程度、輸入モノは500円前後といったところです。約10本ほどストックができたころから、徐々に飲み始めます。

結果、どれもまあまあといった感じ。初めて飲んだ「インドの青鬼」を超えるIPAに出会うことはできません。

そのことを藤野のビール師匠でもあり、IPAを教えてくれたK氏に相談してみました。すると、勧めてくれたのがここでご紹介する「エールスミスIPA」。K氏曰く、日本で流通しているIPAはほとんど飲んだが、これを超えるものは出会えていないとのこと。

素晴らしいの一言

頂いたエールスミスを少しだけ冷やして早速頂いてみました。

まずは香り。奥深い柑橘系の香りはどことなくインドの青鬼に似ているような気がします。軽く一口飲んでみると・・・超深いコクと独特の苦み。インドに似ているがこのあたりはエールスミスのほうが2段ぐらい格上のように感じます。

インドと一緒に飲み比べるのも面白いかもしれません。似ているが確実に違います。

エールスミスを超えるIPAはあるのでしょうか?

見たことのないIPAを見るたびに相変わらず買い漁っていますが、いまだにエールスミス以上のIPAには出会えていません。

エールスミスはクラフトビール界の最高峰

エールスミスはアメリカ・サンディエゴの有名なブルワリー。

アルコール度数10パーセント超え、1本3,000円以上もするクラフトビールを複数出していることでも有名です。

例えば エール・スミス プライベート・ストック・エール 。これは4000円以上するようです。数が少ないため、すぐに売り切れとなるのは必至です。

これら高額なエールスミスは飲んだことも実物を見たこともありませんが、ここでご紹介しているIPAタイプは日本国内の実店舗やネット上でもちょこちょこと見かけます。

気になる価格は・・・・600円ぐらいだったかと思います。

⇒ エールスミス IPA 缶 355ml (楽天)

ちょっと高いですが飲んでみる価値はありますよ。

ちなみに、実店舗ではほとんど売っていませんが、成城石井ではどこの店舗でも売っていました。

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さいごに

いかがでしたか?

まだ一度もIPAを飲んだことがないという方は上でご紹介しました2銘柄は是非飲んでみてください。

IPAは本当にハマります。夢中になります。

まだまだ日本では認知されていませんが、そのうち必ずブームは来ることでしょう。

藤野の地元、横浜では関内と横浜駅周辺にIPAを飲ませる素敵なバーがあります。そちらもそのうちご紹介したいと思っております。